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本展は、世界初公開を含む、厳選された作品約300点により、陶器を食器として捉えるだけでなく、統合芸術の域にまで高めた先駆者ジョサイア・ウェッジウッドの飽くなき挑戦を今一度見直そうという我が国初の展覧会です。
ウェッジウッド社の創始者であるジョサイア・ウェッジウッド(1730-1795)は、18世紀イギリス産業革命の真っ直中を生き、産業家として、また、陶磁器の研究者として、輝かしい一時代を築き上げました。従来のイギリスにおける陶磁器をさらに進歩させ、芸術との融合に全勢力を傾けたのです。彼がその生涯に生み出した数多くの美しいシリーズは、当時台頭してきた中産階級の家庭で実際に使われる食器から、当時のジョージ3世の宮廷やロシアのエカテリーナ女帝が愛用した高級ディナーセットまで、幅広い層に及びます。彼は、常に時代を先取りする天才的なセンスと、たゆまぬ努力によって、陶磁器の近代化を成し遂げました。
しかしその偉業の背景には、常に彼の美への挑戦が存在していたのです。陶磁器を芸術の域まで高めること、そしてより品質の高い食器を広く一般的に供給すること、それこそが、ジョサイア・ウェッジウッドの夢でした。彼の信念は、ただ単に製品を開発するだけに留まらず、その流通方法や宣伝効果、また消費者意識の改革さえも見直す、大切な土壌を築き上げたのです。
本展では、イギリスのウェッジウッド・ミュージアムと、ウェッジウッド社の本拠地である、ストーク・オン・トレントのポタリーズ・ミュージアム&アートギャラリー、ノッティンガム・キャッスル・ミュージアム、ドイツのデッサウ・ヴォルリッツ文化財団および英国大使館の協力を得て、ジョサイア・ウェッジウッドの全貌を明らかにし、「女王陛下の陶工」「英国陶工の父」とも呼ばれる、彼の生涯と偉大な業績を讃えます。

巡回情報

2000年8月4日(金)~9月17日(日)
静岡アートギャラリー
2000年9月23日(土)~12月10日(日)
茨城県陶芸美術館
2001年1月2日(火)~3月12日(月)
そごう美術館(横浜)
2001年4月11日(水)~4月22日(日)
大丸ミュージアム・梅田
2001年4月24日(火)~5月6日(日)
日本橋三越本店・7階ギャラリー

業務内容

展覧会企画、海外借用コーディネイト、図録企画・デザイン・編集・制作、展示レイアウトおよび什器デザイン・会場設営、グラフィックパネルデザイン・制作

会場写真