015

江戸時代初期、全国各地を巡りながら約12万体もの神仏像を作ったといわれる円空(1632-1695)。慈愛に満ちた穏やかな表情、また厳しさを内に秘めた激しい面持ちの像、そしてプリミティブで愛らしい姿の像など、円空仏は庶民の信仰の対象として、長年人々に親しまれてきました。
円空は1632(寛永9)年、美濃国(現在の岐阜県)に生まれました。若くして出家し、32歳の頃12万体の彫像を作ることを発起して、日本各地を行脚します。円空が訪ね歩き、作品を残した地域は、北海道から東北、関東、中部、近畿の各地に及び、神社仏閣はもちろんのこと、庶民が暮らす家々にも、さまざまな種類の像が伝えられてきました。そして、64歳で12万体の像を作り終えると、即身仏入定したといわれています。
日本各地で確認された円空の神仏像は、現在約5200体に及び、その調査は引き続き今でも行われています。本展では近年発見された7体と、これまで全国規模の展覧会では出品されたことのない約70体を含む140体を紹介して、円空の魅力に迫ります。現代でも人々を惹きつけてやまない円空仏に触れる絶好の機会となる展覧会です。

巡回情報

2002年5月27日(金)~6月19日(日)
そごう美術館(横浜)

業務内容

展示プランおよび什器デザイン・会場設営

会場写真