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本展は、1931年から1957年までパリに滞在した日本近代彫刻家で福井市美術館の常設展示作家である高田博厚が、1938年/39年にパリで開催した「巴里日本美術家展」を取りまとめたことから、福井市美術館の開館10周年を記念して開催したものです。
20世紀を迎えたパリでは、フォーヴィズム、キュビズム、未来派など新しい芸術運動が次々と興りました。中でも、エコール・ド・パリの芸術家たちがこの地を訪れ、新しい芸術に触れ、日本における西洋美術に新たな表現をもたらしました。異邦人たちの活躍は、その後1930年以降、次第に色濃くなる戦争の足音と共に後退しますが、第二次世界大戦直前の1938年と1939年に開かれた巴里日本美術家展は、パリでの日本人芸術家の活動の集大成であると同時に、パリにおける異邦人たちの夢の終焉でもありました。
本展は、「異邦人たちのエコール・ド・パリ」「巴里を描いた日本人画家たち」「1938年/39年巴里日本美術家展」の3つのテーマを通して、エコール・ド・パリを舞台に活躍した異邦人たちと日本の芸術家たちの足跡を約100点の油彩・彫刻によってたどり、彼らを虜にした芸術の都パリの魅力を再検証する展覧会です。

巡回情報

2007年8月11日(土)~9月10日(月)
松坂屋美術館
2007年10月2日(火)~11月4日(日)
福井市美術館

業務内容

展覧会企画、図録企画・編集・デザイン・制作、展示映像制作、広報物企画・デザイン・制作

会場写真