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廃棄された引き出しをベルトで束ねただけのチェスト。子供の粘土細工のようなテーブル。現在、オランダの第一線で活躍するデザイナーの作品は、私たちのデザインに対するイメージとは大きく異なります。一方で、オランダからは人間工学にもとづいた合理的なデザインのイスや、機能性を追求したシンプルな家電製品も生み出されています。
オランダデザインの持つこのような特徴は、国土の1/4が海抜以下という特殊な地勢から、国土を干拓などによって構成・維持するなかで培われた合理的な国民性や、美術における最新の造形理論を家具という日用品にあてはめたリートフェルトの前衛性にそのルーツを見出すことができます。
本展は、1920年代から現代にいたるオランダの家具・ポスター・家電製品などに現れたデザインを「ウィット」「革新的な色とかたち」「合理主義・機能主義」「明快さ」のキーワードにそって紹介し、オランダのデザインの持つ特徴について考えようとするものです。理性的でありながら遊び心あふれるオランダ人の「デザイン」感覚を見ることができる展覧会です。

巡回情報

佐倉市立美術館
2008年8月1日(土)~9月23日(水)

業務内容

展覧会企画、海外借用コーディネイト、展示プラン設計、グラフィックパネルデザイン・制作、展覧会図録、広報物企画・編集・デザイン・制作

会場写真