人類が誕生してから現在までの歴史の中で、「動物」は常に身近な存在でした。 狩猟の対象として食料になり、家畜として利用され、ペットとして愛玩され、あるいは、人間に危害さえおよぼす強力な存在として界敬の念を抱かれ、信仰の対象にもなっています。現存する人類最古の絵画とされるラスコーやアルタミラの洞窟壁画で、主要なモティーフが動物であったことは決して偶然ではないでしょう。
一方、日本では、江戸時代までの博物学である本草学が、土、草、虫、魚、獣などの、無生物も含めた諸々の事物を区別せずに扱っていたため、西洋の学問が流入してくるまで生物を動物と植物に二分する分類が行われませんでした。すなわち、日本においては、「動物」というのは、きわめて近代的な概念だったのです。
本展は、小杉放菴も含めた近代以降の美術家たちが、どのように動物と向き合い、自らの技法において表現してきたのかを、現代の美術の動向を含めて御紹介するとともに、それぞれの動物の生き生きとした生態を楽しめる展覧会です。

巡回情報

小杉放菴記念日光美術館
2011年7月23日(土)~9月4日(日)

業務内容

展覧会企画、グラフィックパネルデザイン・制作、図録企画・編集・デザイン・制作、広報物企画・デザイン・制作、ワークショップ企画、運営協力

会場写真