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20世紀を代表する巨匠マルク・シャガール(1887-1985年)。シャガールは、一枚の絵画を完成させるために、数十枚のスケッチやドローイングを残していますが、それ以外にも、コラージュやタピスリー、テキスタイル、ステンドグラス、陶器などといった様々な手法を用いた作品を残しています。それらの手法から得られた色彩や構図はそのまま自身の絵画世界へと還元され、より魅力的で豊潤な世界を生み出すようになったのです。
そこで本展では、シャガールの世界観を形成した「サーカス」や「花束と人物」、「色の分割」、「おんどりと恋人たち」「地中海の青」などいくつかのテーマに沿って、シャガールが試みた様々な手法の中から、特にタピスリーを中心に、油彩や版画を織り交ぜながら、そこに表現された世界を紹介します。
このタピスリーを制作したのは、シャガールが最も信頼したタピスリー作家のイヴェット・コキール=プランス(1928-2005年)です。イヴェットが紡ぎだしたタピスリーは、シャガールの絵画に表れている本質を失うことなく、色彩やリズム、大胆な構図がそのままうつしとられ、時にはシャガールによる絵画以上に、「シャガール」そのものを体現しているといえます。このことはシャガール自身が認めていることであり、二人のアーティストが試みた新たな表現世界の成果でもあります。
このタピスリーを中心とした本展では、シャガールとイヴェットという二人が織りなす素晴らしき表現の世界を、私たち自身が体感する大変貴重な機会となり、新たなシャガールの魅力の発見にもつながることでしょう。
巡回情報
福井市美術館
2012年6月2日(土)~7月16日(月・祝)
松坂屋美術館
2012年9月8日(土)~10月14日(日)
渋谷区立松濤美術館
2012年12月11日(火)~2013年1月27日(日)
業務内容
展覧会企画、グラフィックパネルデザイン・制作、展示映像企画・制作、図録企画・編集・デザイン・制作、広報物企画・デザイン・制作、オリジナルグッズ企画・デザイン・制作