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エリエル・サーリネン(1873-1950)は、フィンランドのナショナル・ロマンティシズムを代表する建築家です。1900年パリ万博フィンランド館をゲセリウスとリンドグレンと設計し、若いサーリネンは一躍脚光を浴びました。代名詞でもある民族色の強いモチーフを組み合わせた建築物は、時を同じくして盛り上がりを見せた独立運動の流れのなかで、より一層親しまれるようになっていきます。共同設計事務所と生活の場としてつくられたヴィトレスクには、サーリネンの居住空間へのこだわりが垣間見えます。また、国立博物館やヘルシンキ中央駅に代表されるような大規模な公共建築物、小切手といった国家的なプロジェクトにも携わりながら、サーリネンは機能性を追求するなど新たな道も切り開いていきました。本展はこうした渡米前のフィンランド時代の活動にスポットをあて、サーリネンの作品をまとまってご紹介する日本初の展覧会となります。

巡回情報

パナソニック汐留美術館 2021年7月3日(土)〜2021年9月20日(月・祝)

いわき市立美術館 2021年11月6日(土)〜12月19日(日)

業務内容

展覧会企画、グラフィックパネルデザイン・制作、図録企画・制作、オリジナルグッズ企画・デザイン・制作