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イマジュリィ”imagerie”は、イメージ図像を意味するフランス語です。
本展では、本や雑誌の挿絵、装幀、絵はがき、ポスターなど、大衆性の高い版画や印刷物の総称として、このことばを用いています。
技術革新を追い風に、出版文化が急速に発展した大正時代。イマジュリィの世界も黄金時代を迎えました。
当時、さまざまなイマジュリィを舞台に活躍したのが藤島武二、橋口五葉、竹久夢二ら新しい表現方法を模索していた画家たちです。
彼らは同時代の美術界の動向と並走しながら、じつに多彩で魅力的な表現を生みだし、多くの人々の心をとらえました。こうした動きのなかで、やがて杉浦非水をはじめとするグラフィックデザイナーが誕生し、モダンデザインに大きな影響を及ぼしました。
本展では、画家、版画家、挿絵画家、工芸家たちによる本の装幀、挿絵、デザイン画、広告、ポスター、絵はがき、版画を展示し、大正イマジュリィの抒情性や、モダン感覚あふれる多彩なデザインやイラストレーションの数々をご覧いただきます。
当時の人々の高い美意識を感じるとともに、絵画作品とは異なり、大量生産され、人々の暮らしの身近にあった印刷物たちの小さいながらも美しく広がる豊かな世界をお楽しみください。
巡回情報
高知県立文学館 2025年4月5日(土)〜6月15日(日)