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大正3年(1914)に東京駅が開業してから、すでに75年以上が経ちました。今日東京駅は、開業時には誰も予想しなかったような複雑巨大化を遂げ、北口ドームでは「とうきょうエキコン」が開かれ、小さいけれども本格的な美術館―東京ステーションギャラリーもオープンしました。
新橋駅から東京駅にかけて今も残る煉瓦造の高架橋アーチは、実は当時「東西統合」で世界を騒がせたベルリンにその手本があり、ドイツ人鉄道技師が東京駅の基本計画を行っていたことは、つい最近まで知られていなかった事実であります。その基本計画をもとに辰野金吾設計の東京駅が竣工当時は3階建であり、アムステルダム中央駅の模倣という説が、まったくの嘘であることも今まであまり語られずにきました。
この展覧会は、こうした東京駅にまつわるさまざまな問題を、竣工当時の写真や図面、そして海外の駅舎と比較しながら、皆様自身の眼で確かめていただこうとするものです。東京駅の新たな発見を通じて。この大建築をもう一度見直してみてはいかがでしょうか?(1990年当時の文章を引用)
巡回情報
1990年11月1日(木)~91年1月27日(日)
会場:東京ステーションギャラリー
主催:東日本旅客鉄道株式会社
協賛:株式会社大林組
業務内容
展覧会企画、図録企画・編集・制作、展示レイアウトおよび什器デザイン・会場設営、映像製作