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素朴派絵画は今から約100年ほど前、税関吏であったアンリ・ルソーが注目を集めて以来、各国で紹介され、大きな称賛を浴びています。現代美術は、純粋芸術から数多くのイズムとして細分化され、私たちにとって難解なものになりました。しかし、そもそも芸術は、それほど難解なものではなく、その源は、画家の心が自然に描写されたもの、すなわち、子どもの心のように、純粋、別の表現で言うと、素朴であったに違いありません。技巧的に拙劣で、自らの楽しみのために、独学で描かれた素朴派の作品が、これほどまでに人々に感銘を与えるのは、現代美術のような観念にはまったく無縁で、素朴で、穏和な心理のなかに、奔放なエネルギーが満ちあふれているからに他なりません。
本展では、“花のある暮らし”をテーマに、フランスの画家10人による油彩画82点を初公開作品を含め、展観します。花は、いつも私たちの心を和ませてくれます。花の宮殿で、豊かな色彩により力強く独創的に描かれた作品を通して、忘れかけていた素直な心を思い出していただき、「ありのままの自分でよいのだ」という画家たちのあたたかいメッセージを感じて心に花を咲かせていただける展覧会です。

巡回情報

ハウステンボス美術館
2005年4月22日(金)~7月31日(日)

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展覧会企画、展示プラン

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