1926(大正15)年、齋藤素巌と日名子実三を中心に国内初の彫刻の在野団体として、構造社が結成されました。1927年から1943年まで東京で開催された16回の展覧会では、彫刻のみの展示に留まらず、建築との融合を目指し複数の彫刻を組み入れた大がかりな「綜合試作」や、メダル制作等の商業美術との関わりなど、新しい彫刻のあり方を模索するユニークな活動を展開しています。さらに2回展からは神津港人を中心に「絵画部」を併設したほか、彫刻にも絵画にも属さない部門として「雑の部」を設けるなど、展示内容の刷新と会員の出入りを繰り返しながら、他の公募展とは一線を画する異色の活動を続けました。
本展は、こうした構造社の活動の中でも、最も特徴的であった結成後10年間に焦点を当て、構造社展出品作品を中心に、そこに関わった19作家の彫刻、絵画等約150点を展示するものです。これまであまり紹介されることのなかった昭和初期の構造社の試みを、改めて検証します。
また、小樽と北見にゆかりの深い中野五一は、16回すべての構造社展に出品した彫刻家のひとりです。東京で活動する一方で、小樽でのグループ展にも積極的に出品し、早い時期から北海道に中央の息吹をもたらしたことでも注目されます。本展では、1920年代から30年代前半の中野の彫刻5点も展示いたします。

巡回情報

福井市美術館
2005年6月18日(土)-7月18日(月)
宇都宮美術館 
2005年9月11日(日)~10月23日(日)
札幌芸術の森美術館 
2005年10月30日(日)~2006年1月15日(日)
松戸市立博物館 
2006年1月28日(土)~2月26日(日)

業務内容

展覧会企画、図録企画・編集・デザイン・制作、展示プラン、共通什器デザイン・制作、展示映像制作、広報物デザイン・制作

会場写真