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日本の風呂敷や袱紗のように「包む」文化から生まれた韓国伝統の布、「ポジャギ」。ポジャギには、端切れを縫合わせて作るパッチワークのポジャギ「チョガッポ」や、刺繍を施したもの、彩色を施したものなど、様々な種類があります。それは、すべて女性たちの手仕事によるもので、彼女たちは針仕事の後に残された余り布や古着を集め、その端切れ一枚一枚に思いを込めて縫い合わせ、また、刺繍で模様を入れるなど、美しい文様で飾ってきました。このように、心を込めて一枚の布に仕立てられたポジャギは、古くから福を呼び、福を包むとされ、日用品として身の回りのものを包み、覆い、飾り、またお祝い事から儀式まで幅広く用いられてきたのです。
日常生活の中に溶け込んでいたポジャギは、今まで、芸術品としてはみなされてきませんでした。しかし、近年、大胆で斬新なデザインと美しく鮮やかな色彩が、日用品の枠を越えて人々を魅了し、暮らしの中の芸術として注目を集めています。
本展では、韓国刺繍博物館のコレクションから朝鮮王朝時代の刺繍作品、ポジャギをはじめ、衣装、刺繍屏風など約200点を公開し、女性によって綴られてきた韓国伝統文化をご紹介します。
巡回情報
そごう美術館(横浜)
2007年2月1日(木)~2月25日(日)
業務内容
展示プランおよび什器デザイン・会場設営