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陶芸家 板谷波山は、1872年3月3日、茨城県・下館(現・筑西市)に生まれ、1953年には工芸家として初の文化勲章を受章、1954年には日本画の横山大観とともに茨城県名誉県民の第一号となりました。波山は、理想の作品づくりのためには一切の妥協を許さないという強い信念により、端正で格調高い作品を数多く手がけたことで知られます。その一方、故郷のまちと人々をこよなく愛し、信頼、共感し合いながら、生きていくことを大切にした人物でもありました。
本展では、波山の選りすぐりの名作とともに、波山が生まれ愛した故郷の文化的土壌や波山の人となりを示す貴重な資料、そして試行錯誤の末に破却された陶片の数々を一堂に集めて展覧、「陶聖」と謳われる波山の様々な姿を紹介いたします。